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COLUMN技術コラム

樹脂にシリカを配合して得られる物性

樹脂加工

樹脂にシリカ(SiO₂)を配合すると、フィラーとして様々な物性が向上します。

以下に、出来るだけ細かくまとめます。

■樹脂にシリカを配合する事で得られる物性

※シリカは、球状(スフェリカル)、沈降法、溶融法(フュームド)、表面処理品

等 多種類あり、タイプによって効果が少し異なります。

以下は共通して得られる主な物性です。

①機械特性の向上

・引張強度の向上(特に球状シリカ)

→シリカが補強材として働き、樹脂の骨格を強化する事で

 引張強度、曲げ強度、弾性率が向上します。

・剛性(ヤング率)の向上

→無機材料であるシリカは硬度が高く、添加量に比例して

 剛性UP(硬くなる)効果が大きいです。

・圧縮強度の向上

→エポキシや熱硬化樹脂で顕著で、圧縮強度、クリープ性改善

 が起こります。

②寸法安定性の改善

・低線膨張比(CTE低減)

→シリカのCTE(熱膨張係数)は樹脂よりも非常に低い為

 配合すると樹脂の熱膨張が抑制され、精密成型品に有利になる。

・成形収縮の抑制

→収縮を均一化し、反り、変形の低減、寸法ばらつきの低減に繋がります。

③耐熱性の向上

・ガラス展移転(Tg)の上昇(特に溶融シリカ)

→樹脂の分子運動をシリカが妨げる為

 Tgが数℃~数十℃上昇する場合もあります。

・熱変形温度(HDT)の向上

→補強効果によって高温化での剛性維持が期待できます。

④電気特性の改善

※電子材料で特に重要

・誘電率の低下

→特に溶融シリカ(フュームドシリカ)は極めて低誘電率であり

 樹脂の誘電率を下げられます。

・誘電正接(Df)の低減

→高周波特性、絶縁特性が向上

・絶縁破壊強度の改善

→無機フィラーがアーク進展を妨げる為、絶縁性が

 高くなる効果があります。

⑤耐候性、耐薬品性の向上

・紫外線劣化を抑制

→シリカはUVを散乱し、樹脂の黄変、劣化を抑える働きがあります。

・耐薬品性の向上

→シリカは化学的に安定で、酸、アルカリに強く、溶剤で膨張しにくい為

 樹脂全体の耐薬品性が向上します。

⑥流動性、成形性への影響

※これは長所にも短所にもなります。

・(表面処理シリカ使用時) 流動性の改善

→疎水化処理されたシリカは分散が良く、粘度上昇を抑えて

 加工性を保つ事が出来ます。

・(未処理シリカ) 粘度上昇、成形性の悪化

→比表面積が大きいものほど粘度が上がりやすく

 成形圧が必要になります。

⑦摩擦、摩耗特性の向上

・摩擦量低減

→硬いシリカが補強材となり、摩擦摩耗が減り

 耐摩擦性が向上します。

・表面硬度の向上

→特に透明樹脂に添加すると表面の擦り傷に強くなる

 (耐スクラッチ性向上)効果が出ます。

⑧光学特性への影響(透明性維持も可能)

・微粒(サブミクロン・ナノ)シリカ

→粒径を小さくし屈曲率を整えると

 透明性をほぼ損なわず補強できる。

・通常粒径では白濁化

→粒径が大きいと光散乱で白色かします。

シリカ素材