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COLUMN技術コラム

樹脂にタングステンを配合して得られる物性

樹脂加工

樹脂にタングステン(W)を配合すると、金属的な特性を付与しつつ

樹脂の加工性を生かした「高機能ハイブリッド材料」になります。

以下、出来るだけ細かく整理致します。

■樹脂×タングステン(W)で得られる物性

①高比重化(超高密度化)

・タングステンは金属の中でも最も比重が大きい材料(約19.3)

・樹脂に数十%混ぜるだけで比重が3~11程度まで重くできる。

・代替用途としては

 鉛フリーのウェイト材、振動吸収ウェイト、バランス調整部材。

※ポイント

・同じ体積なら鉄系よりも圧倒的に重い→コンパクトなウェイト設計が可能。

X線、Y線の遮蔽性(放射線遮蔽)

・タングステンは原子番号74の高Z材料 →X線やY線を強く吸収。

・樹脂に混ぜると、鉛の代替遮蔽材になる。

・医療用、検査用の軽量化シールド部材に採用される。

※ポイント

・鉛より環境負荷が低い

・着色しやすく、形状自由度も高い

③耐熱性、熱変形温度の向上

・タングステン粉末は高い熱伝導を持ち、樹脂内部で局所的な

 熱蓄積を防ぐ。

・結果として、HDT(熱変形温度)や使用温度域が向上。

※例

ナイロン、PBT 等では耐熱領域が+10~40℃向上する事も。

④熱伝導性、熱放散性の向上

・金属粉として熱の通り道を作る事で熱伝導性を改善。

・電子部品周辺のヒートシンク代替や放熱部品として機能。

※注意点

・タングステンは金属の中でも比較的熱伝導が低い(約174W/mk)

・銅や銀ほどは上がらない。

・それでも樹脂単体よりかは大幅向上。

⑤難燃性の向上

・タングステンは不燃性で、かつ熱容量が大きい為、樹脂の燃焼を

 抑制する効果を持つ。

・ハロゲンフリー難燃の補助材として利用可。

⑥寸法安定性、剛性の向上

・金属粉が充填材として働き、線膨張係数(CTE)が低下

 剛性(曲げ弾性率)が上昇、クリープ性が改善。

・成形後の寸法変化が少ない

⑦振動吸収性(ダンピング特性)の向上

・高密度化+粉末の内部摩擦により、振動減衰(ダンピング)

 が高い樹脂になる。

・音響部品、精密機器のブレ低減 等に利用。

⑧電磁波遮蔽効果(EMIシールド)

・金属粉を甲充填すると、樹脂内部に導電パスが形成され

 電磁波の反射、吸収能力が向上。

・電子部品の外装 等で使用

※捕捉

導電性は鉄、銅程ではない為、EMI目的の場合は

粒径や配合量設計が必要

⑨成形性の変化

・メリット

→高比重により成形品表面の金属感、高級感を演出できる。

・デメリット

→流動性低下(粘度上昇)

→摩擦性が高く金型に負荷(硬質粉の為)

→高充填ではブリードや離型不良のリスク

タングステン素材