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COLUMN技術コラム

樹脂コンパウンド試作におけるペレタイザーとは?種類・仕組み・条件設定・トラブル対策を解説

品質

〇樹脂コンパウンドの試作では、二軸混練機によって
 樹脂と添加剤・フィラー・原料 等を均一に混練
 するだけでは、製品として完成しません。

 混練機から押し出された樹脂を、次の工程で扱いやすい
 【ペレット状に加工する(ペレタイズ)】が重要になります。

 特に試作開発では、

  • ペレットの大きさを揃えたい
  • カッターでうまく切れない
  • ペレット同士がくっついてしまう
  • 樹脂が冷却されすぎて割れてしまう
  • 軟らかい樹脂を規定にペレット化したい
  • 添加剤やフィラーによって切断性が変わる

 といった問題が発生する事があります。

 つまり、ペレタイザーは単純に樹脂を切断する装置ではなく
 コンパウンド試作の品質を左右する重要な工程設備です。

 本記事では、樹脂コンパウンド試作で使用される
 ペレタイザーについて、その基本的な仕組みから
 種類・条件設定・代表的なトラブルまで詳しく解説します。

■ペレタイザーとは?

〇ペレタイザーとは、押出機から連続的に押し出された
 樹脂を、一定の大きさに切断してペレット化する装置です。

 樹脂コンパウンドでは一般的に、

 ①原料投入
 ↓
 ②二軸混練
 ↓
 ③冷却
 ↓
 ④ペレット化
 ↓
 ⑤ペレット回収

 という流れで加工されます。

 ペレット化する事で、コンパウンド製品を袋詰め・保管・搬送
 しやすくなり、さらに射出成型やフィルム成形等の次の工程にも
 投入しやすくなります。

■なぜ樹脂コンパウンド試作でペレタイザーが重要なのか?

〇【混練がうまく出来ていれば、ペレット化はそれほど重要ではない】
 と考えられる事があります。

 しかし、実際にはそうではありません。

 ペレット化の状態が悪いと、せっかく良好な混練が出来ていても
 後工程で問題が発生する可能性があります。

 例えば、

  • ペレットサイズが不均一
  • ペレット同士が融着する
  • 長いストランド状になる
  • ペレットが粉々になる
  • カット面が荒れる
  • ペレット内部に気泡が残る
  • 冷却不足によって変形する

 等です。

 特に試作では、量産時と異なり材料が少量である為、材料ロスを
 出来るだけ抑えながら安定したペレットを作る事が重要になります。

■代表的なペレタイザーの種類

〇ペレタイザーには複数の方式があります。

 樹脂の種類や試作目的によって適した方式が異なります。

①ストランド方式

〇最も一般的な方式の一つがストランド方式です。

 二軸混練機から押し出された樹脂を細いひも状にし
 冷却した後、カッターで一定長に切断します。

 ①押出
 ↓
 ②ストランド化
 ↓
 ③冷却
 ↓
 ④カット
 ↓
 ⑤ペレット

 という流れです。

 比較的シンプル構造で、試作設備でも採用しやすい方式です。 
 特に、

  • PP
  • PE
  • ABS
  • PA
  • PC
  • PBT
  • PPS

 等、幅広い熱可塑性樹脂で利用されています。

 ただし、樹脂によってはストランドが冷却槽内で切れたり
 柔らかい状態のままカットされる事でペレと同士が付着した李り
 する事があります。

②ホットカット・アンダーウォーターペレタイザー

〇ストランド方式とは異なり、押出された樹脂を比較的高温の
 状態で直接カットする方式もあります。

 代表的なものが、アンダーウォーターペレタイザーです。

 押出機から出た樹脂をダイから押し出し、ダイ面付近で
 回転するカッターによって切断します。

 切断されたペレットは水によって冷却されます。

 この方式では、
 【押出→切断→冷却】
 を連続的に行える為、高い生産性が求められる量産工程
 等で利用されています。

 一方で試作設備では設備構成やコストなどを考慮する
 必要があります。

■ペレタイザーの条件設定で重要なポイント

〇ペレタイザーを安定して運転する為には、単純に
 カッターを回せばよいわけでありません。

 特に重要なのが以下のポイントです。

①ストランドの温度

〇樹脂が高温すぎる状態でカットすると

  • ペレット同士が付着する
  • ペレット形状が崩れる
  • カット面がきれいにならない

 といった問題が起こります。

 逆に冷却しすぎると、

  • ストランドが硬くなる
  • カット時に割れる
  • 微粉が増える

 場合があります。
 したがって、樹脂に適した温度条件でカットする事が重要です。

②冷却水温度

〇ストランド方式では冷却水の温度も重要です。

 冷却能力が不足すると、ストランドが十分に固化せず
 ペレット同士がくっつく原因になります。

 一方で、急激に冷却すると材料によっては内部応力や
 割れなどに繋がる可能性があります。

 樹脂の種類や押出量に応じて調整する必要があります。

③カッター回転速度

〇ペレットの長さは、基本的にストランドの送り速度と
 カッター回転速度のバランスによって決まります。

 例えば、

 【送り速度が速い+カッター回転数が低い】
 場合、ペレットは長くなります。

 反対に、

 【送り速度が遅い+カッター回転数が高い】
 場合は短いペレットになりやすくなります。

 その為、目的とするペレットサイズに合わせて条件を調整します。

■ペレットがうまく切れない原因

〇樹脂コンパウンド試作では、ペレット化の際に
 【きれいに切れない】という問題が発生する事があります。

 主な原因として、

  • ストランド温度が高すぎる
  • ストランド温度が低すぎる
  • カッター速度が適切でない
  • ストランドの送りが安定していない
  • カッター刃が摩耗している
  • 樹脂の流動性が低い
  • フィラー添加量が多い
  • 材料が脆い

 等が考えられます。

 特にフィラーを高充填したコンパウンドでは、一般的な樹脂と
 比較してストランドの性状が大きく変化する事があります。

■ペレット同士がくっつく原因

〇ペレット同士の融着も、コンパウンド試作ではよくある問題です。

 主な原因は、
 【ペレットが十分に冷えていない】
 事です。

 例えば、

  • 冷却刷りの温度が高い
  • 冷却時間が短い
  • 押出量が多すぎる
  • ストランド径が太い
  • 樹脂の融点、軟化温度が高い
  • ペレット回収後の冷却が不十分

 等が考えられます。

 特に高温樹脂では、ペレット化後もしばらく熱を持って
 いる場合があります。

 その為、ペレット化=冷却完了ではないという点にも
 注意が必要です。

■フィラーや添加剤によってペレタイズ性は変わる

〇樹脂コンパウンドでは、ベース樹脂だけでなく、

  • ガラス繊維
  • 炭酸カルシウム
  • タルク
  • シリカ
  • 窒化ホウ素
  • カーボンブラック
  • 各種添加剤

 等を配合する事があります。

 これらを添加すると、樹脂の粘度や溶融状態、ストランドの
 強度などが変化します。

 例えばフィラーの添加量が増える事で、ストランドが硬くなり
 切断時に割れやすくなる場合があります。

 逆に、可塑化効果のある成分などを添加した倍には
 ストランドが柔らかくなり、カットしにくくなる事もあります。

 つまり、
 【同じペレタイザーなら、どんなコンパウンドでも同じ条件で切れる】
 というわけではありません。

■樹脂コンパウンド試作では、【ペレットの見た目】も重要

〇試作では、単純にペレットになっていればよいわけではありません。

 ペレットを観察する事で、加工状態を判断できる場合があります。

 例えば、

  • ペレットサイズが比較的均一
  • 切断面が安定している
  • ペレット同士の融着が少ない
  • 異常な変色が無い
  • 微紛が少ない

 こうした状態を確認する事で、混錬条件や押出条件
 冷却条件 等を見直すきっかけとなります。

■ペレタイザーだけでなく、【二軸混練機との組み合わせ】が重要

〇混練コンパウンド試作では、ペレタイザーたん体で考える
 のではなく、

 【二軸混練機→ダイ→冷却→ペレタイザー】
 という一連の工程として考える事が重要です。

 例えば、二軸混練機の吐出が変化すれば、ストランドの太さや
 送りにも影響します。

 その為、
 【ペレットがきれいに切れない=ペレタイザーが悪い】
 とは限りません。

 二軸混練機側の、

  • 温度条件
  • スクリュー回転数
  • 吐出量
  • 樹脂の流動性
  • フィラー添加量
  • ダイ形状

 等も含めて原因を考える必要があります。

■試作で重要なのは、【材料ロスと抑える事】

〇量産設備では大量の材料を流す為、多少のロスが発生しても
 製品全体への影響は限定的です。

 しかし、コンパウンド試作では使用する材料そのものが
 少ないケースもあります。

 その為、
 【材料投入→混練→押出→ペレタイズ→回収】
 までの工程で、出来るだけ材料を無駄にしない事が重要です。

 特に高価なエンジニアリングプラスチックや添加剤を使用する場合
 ペレタイザーの設定や回収方法によって試作材料の回収率が
 変わる事があります。

■まとめ

〇樹脂コンパウンドにおけるペレタイザーは、二軸混練機から
 押し出された樹脂を扱いやすいペレットへ加工する為の重要な
 設備です。

 ペレタイズ工程では、

  • ストランド温度
  • 冷却水温度
  • 冷却時間
  • ストランド径
  • カッター回転数
  • 樹脂の流動性
  • フィラー、添加剤の種類と配合量

 等、様々な条件が関係します。

 特に試作では、【とりあえずペレットになればい】のではなく
 次工程で使用しやすい均一なペレットを安定して作る事が
 重要です。

 その為、樹脂コンパウンド試作では、
 【混練】→【押出】→【冷却】→【ペレタイズ】
 を一つの工程として捉える事が、安定した試作と品質評価に
 繋がります。

 ペレタイザーは、コンパウンド試作の最後の工程ではなく
 次の成形工程へ繋ぐ重要な工程です。

 N.6株式会社では、二軸混練機を使用した樹脂コンパウンド試作から
 ペレット化まで、材料や目的に応じた条件検討を行っています。

 【この材料はペレット化出来るのか?】
 【フィラーを高充填したい】
 【少量で試作したい】
 等、コンパウンド試作に関するご相談にも対応できます。