ABS樹脂
（アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン）

アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンとは、合成樹脂の一種で

アクリロニトリル（A）、ブタジエン（B）、スチレン（S)という3種類の

モノマーを使用して作られる熱可塑性樹脂です。

アクリロニトリル、ブタジエン、スチレンには以下のような特徴があります。

つまりABS樹脂は、以下の特性を合わせ持つ樹脂となり、各モノマーの比率を

変えれば様々な特性のABS樹脂を製造できます。

・アクリロニトリル：　耐熱性、機械的強度（剛性）、耐油性

・ブタジエン　　　：　耐衝撃性（ゴムの特性）

​・スチレン　　　　：　光沢性、成型性（加工性）、寸法安定性

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メリット

​ABS樹脂の耐熱温度は70℃～100℃程で、他の汎用樹脂であるポリエチレンや

ポリエステルと同等程度です。

耐熱性が特別高いわけではありませんが、一般的な用途で使用するには十分な

耐熱性である。

ABS樹脂は、ブタジエンを含む為、ゴムのような耐衝撃性があり、さらには

加工性に優れており、射出成型・押出成形・カレンダー加工・真空成型　等

様々な方法での成型が可能となります。

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デメリット

ABS樹脂は、耐候性が低く太陽光に長時間晒されると変色や光沢劣化が起こります。

その為、屋外など強い紫外線に長時間晒される場所での使用用途は限られてしまいます。

最近では、表面加工や紫外線吸収剤の添加　等によって耐候性を向上させたABS樹脂も

登場しております。

次に、耐薬品性についても高くなく、特に有機溶剤には弱く、有機溶剤が内部に

しみこむと劣化して脆くなる場合があります。

さらに、可燃性を示す点はABS樹脂のデメリットです。

炎に晒されると、ススと得異臭を出しながら燃えてしまいます。

​近年では、様々な難燃剤を加えて燃えにくくしたABS樹脂も存在します。